遊びにして、技術の取得

日本知育玩具協会・知育玩具マイスター/認定講師の船越智子です。


技術だなんて、何やら難しい!それも遊びにして、なんて怪しい!(笑)  

そんな雰囲気のタイトルですが…


ここでは主に、ドイツゲームで使う技術の取得について書いてみたいと思います。それも、小さい子どもたち、3歳になるかなどうかな?くらいのお子さん向けの話です。


 なめなめが完全に終わった頃にはドイツゲームを始められますが、その頃に遊ぼうとした親御さんがぶつかられることの一つに、色が同じ、数が同じなどのマッチングの判断はどう教えるの?…枠にはめよう、指定された場所に順に置こう、そういった技術的なことはどうやって教えるの?といった、「ドイツゲームの基本になるようなことをどうやって教えるか」というお悩みがあります。


 さて、どうしたらいいのでしょう?


 結論から申し上げますと、『悩まなくていい、もっというなら、勝敗がつくといったゲームの結末らしきものが得られてなくてもよい』のです。 


え?どういうこと?ゲームは勝敗ついてこそでしょ?!そう思われるのも無理はありません。実際そういうのが多くの大人がもつイメージなのです。 


しかし、最初の一歩は 


『必要な技術を遊びながら楽しく獲得していく。』


 ここなのです。なので、それができるものから始めていけばよいのです。決して勝敗つくようなものでないといけない、ということはないのです。 


 一例としてはこちらです。


 ドイツ・ラベンスバーガー社が長きにわたって作り続けている小さな子供向けゲームの一つ、「クイップス」 


まずは、ひとつボードを取って、穴にペグをとにかく入れてみましょう。全部の穴に入れられるかな?というところからです。色が違っていても、自由にはめさせてあげればいいのです。


 遊ぶうちに次第に、色が合う(同じ)ところに入れたら、絵がとっても綺麗に見えることに気づきます。そうして「色が合う(同じ)」というマッチングを知るのです。4枚のボードをすべて遊びつくすころには、緑が多いボードや赤が多いボードがあることに気づきます。そうして「違いがある」ということを知るのです。違いがあるのは数だということに気づき、数概念への興味へと進んで…


…といったように、それら様々な要素について、気づいたことは自ら、楽しく遊びながら、自然と身につけていけるのです。 


まさに、「遊びにして、技術の取得」を感じられますよ。 


最後にひとつだけ、大切なことを。


 大人が守るべき大切なことは、教え込もうとしないことです。大人がするのは、子どもの遊びを安全に配慮して見守り、子どもの好奇心を後押しすることだけですよ。これが一番、難しいのですけれどね。