学術的研究もされています

日本知育玩具協会・知育玩具マイスター/認定講師の船越智子です。


私自身が行ったもの、ではないのですが、つい先日に一つの形となった、日本知育玩具協会理事長の学術的研究(共同研究)をご紹介します。


日本知育玩具協会理事長の藤田篤先生の「知育玩具についての学術的、論理的考察に取り組みたい」という思いから始まった、岐阜市立女子短期大学小川准教授、奥村准教授との共同研究が、岐阜市立女子短期大学研究紀要としてまとめられました。



この論文の主な内容は、LaQ(日本・ヨシリツ社)ブロック使用経験がない学生を被験者とし、同ブロックを用いた見立て遊び実験2か月間(通常、LaQを子どもに与えるときに想定される環境と遊んでいく段階を調査プログラムとして構成し、そのプログラムの下、被験者に遊んでもらっていく過程を観察)の内容および結果(発想力の向上、ひいてはデザイン能力の向上に寄与すること)、それらについての考察です。幼児期の見立て遊びと、アイディア発想における抽象的なアプローチの思考プロセスの類似点に着目して仮定を設定し、研究がなされています。


作品を作っていく過程を細かに観察しその人が何を重視して作品を作っていくかということを見ていくことで、その人個人の「個性・特性」を見ることができるという視点・論点に、特に興味を持ちました。 そして、個人それぞれの特性を活かしてLaQに取り組んでいく中で、何を重視したルートであっても、集団の中で個人を活かしつつ共同で学ぶ(紀要内では狼と七匹の子ヤギの作品を完成させる、が、これに該当します)場において、最終的に得ることができる結果は、皆が各々より向上したものとなっているという事は注目に値することです。 このことは私達もメソッドの中で伝えていることではありますが、更に細かに伝えていくべきことであると強く感じました。

 また、子の遊ぶ姿をつぶさに見るということを通して、子の個性・特性をより把握し、適切に伸ばしたり支援したりする指針にもなり得ると感じました。これは、人材育成という側面においても役に立つことと感じます。新たな学びを得られたように思います。

遊びは子供の成長と能力の発達に深く関係していることは、既に様々な書物でも書かれていることであり、私たちも常日頃からお話ししているところですが、高等教育(デザインと言う専門性を備えた学問)への展開について、知見を深められる内容のものはなかなかありません。これはそういったところにおいても、私にとって新しい学びのある内容の論文でした。


研究だなんて難しい、そう感じられますか?いえいえ、そんなことはありません。すぐに子育てに活かせる手法の一つです。日本知育玩具協会の「よいおもちゃの選び方・与え方講座」でも、わかりやすく近い話をさせていただいています。

Tomoko Funakoshi Website

一般社団法人日本知育玩具協会・ 知育玩具マイスター/認定講師